『毛髪の構造』 毛髪は大きく分けてキューティクル、コルテックス、メジュラから構成され、その構造はのり巻きに似たような形をしています。のりがキューティクル、米粒がコルテックス、中心部にあたるかんぴょうが、メジュラに相当します。

■キューティクル(毛表皮)キューティクルはウロコ状の硬い無色透明の細胞からなり、その縁は毛先の方向に突出し、根本から毛先に向かって竹の子の皮のように重なり、内側のコルテックスを保護しています。キューティクルの毛髪に占める割合は10%前後でその重なり枚数が多いほど毛髪は硬く、薬液の浸透に対する抵抗力が増し、プラッシング、コーミング、カッティングなど外的な影響から毛皮質(コルテックス)を保護しています。しかし、キューティクルが剥れると毛髪が非常に弱くなり、中のマトリックスが流れ出して、繊維がバラバラになった典型的な例が枝毛です。
■コルテックス(皮質)コルテックスは葉巻状の角化したケラチン質の細胞が毛髪の長さ方向に比較的規則正しく並んだ細胞集団で毛髪の90%前後を占めています。コルテックス細胞は、繊維の束が集まっているように見え、さらに細胞同士は互いに強く連結されている。コルテックスがこのような構造になっていますので、横には切れにくく、縦には比較的裂けやすくなっています。コルテックス内には顆粒状のメラニン色素があり、毛髪の色が決められています。化学構造的に薬液の作用を受けやすく、セット、パーマ、ヘアカラーなどと最も関連の深い部分であり、毛髪の性質を左右している重要な構成です。
■メジュラ(髄質)メジュラは毛髪の中心部に位置し、空胞や微量のメラニン色素含む無定形の細胞で構成されています。毛髪によっては鉛筆の芯のように完全につながったもの、所々が切れているもの、あるいは全く無いものなどがあります。太い毛髪ほど毛髄質のあるものが多く、細い毛髪には、所々欠如している場合があります。毛髄質の成分、機能はまだ十分に解明されていません。

髪の成長期
髪の退行期
髪の休止期
髪の脱毛
毛髪 の数は約10万本。寿命は、男性で2〜5年、女性で4〜6年です。男性平均を4年とするなら抜け毛本数は1日あたり68本。毛髪の一生は、髪が伸びている時期(成長期)2〜5年、成長の止まった髪が根づいている時期(退行期)2〜3週間、髪が生えかわる時期(休止期)2〜3ヶ月 という3段階のヘアサイクルに分かれています。脱毛後は、毛母細胞が活動を再開し新しい髪がつくられます。また正常なヘアサイクルが狂い成長期に細い毛髪が抜けてしまうと危険信号です。

■白髪について「白髪は苦労すると増える」と言われることがありますが、この因果関係はあまり無いと思います。 自分を振り返り「あの頃苦労した」と考える年代になる頃から白髪か少しずつ発生するので、このようなことが言われるのではないかと考えられます。 日本人の平均的な白髪の発生は大体35歳を過ぎた頃からと言われています。頭髪の半分が白髪になるのは大体55歳ぐらいからだとも言われています。 しかし、これも個人差がありますので、一概に言えないでしょう。ただ、老化現象が一因していることはありえます。10代でかなりの白髪の発生を見る場合は、老化現象ではなく、他の要因も考えられます。 加齢が原因である以外に、内服薬、外用薬、疾病によっても白髪の発生があるようです。薬剤か何か毛乳頭組織の細胞の代謝機能に影響を与えるのではないかと考えられますが、すべて全く不明です。 たとえば、疾病においては、しろなまず(尋常性白斑)ができるとその部分に生えている毛が白髪化します。シラクモ(頭部白癬)に感染すると白髪化します。また、円形脱毛症の治っていく過程では白髪が生えてくることもあります。 本来、白髪の原因は、色素細胞の中にあるチロシンが酸化されて、メラニンになるものが、何らかの要因があってメラニンにならないことが原因だと言われていますが、詳しいことはまだ解明されていません。
■フケ症についてフケは皮膚から出るアカと同じように、新陳代謝の副産物として角質細胞が剥がれ落ちたものです。角質細胞は麦皮のいちばん外側の層にある、いわば死んだ細胞です。フケは頭皮の表面にくっついているか、あるいは剥がれてパラパラと落ちるも のですがフケになる角質も、初めは表皮の深いところにあります。フケの出るメカニズムですが、まず表皮のいちばん深いところにある基底細胞が細胞分裂を繰り返して新しい細胞をつぎつぎと作り出します。 そして新しくできた細胞は順次押し上げられていき、皮膚の麦面に近づくにつれて丸い形から扁平な形になり、角化しはじめます。いよいよ表皮に達すると角質細胞になり、完全に角化して角層を作ります。この角層を形成している角質細胞も徐々に皮膚の表面に押し出されていきますが、 上にいくほど細胞同士の結合が緩んで、最後には剥がれ落ちます。毛髪に毛周期があるように、フケのもとである表皮にもサイクルがあります。 表皮が基底層で新しい細胞として生まれてから、上方に押し上げられて角質細胞になって剥がれ落ちるまでを、表皮の細胞周期と呼んでいます。 正常な場合は、このサイクルは28日とされ、さらに角質細胞の剥離は、細胞が非常に小さいために目で見ることができないのです。 つまり、正常な人のフケやアカは目には見えないものですが、実際には何十万という角質細胞が、頭皮だけでなく全身からフケやアカになって毎日剥がれ落ち ているのです。『さらに詳しく「フケ」に関するさまざまな情報を掲載しています』
■縮毛について親が直毛なのに子供が縮毛であると言う例があり、その場合、縮毛は異常とされる場合がありますが、民族・人種によっては縮毛が正常であり直毛が異常ということになります。遺伝的には直毛と縮毛は縮毛に優性遺伝ということになるようです。 縮毛はこのように遺伝性があるため、ほとんどが生れつきのものですが、なかには思春期の頃の性ホルモンなど体質の変化に伴い、この頃から縮れてきたり、インスタント食品などに含まれる食品添加物などの影響で突然変異萎縮毛として縮れてきたり、生まれたときからの縮毛が一生続くタイプや、生まれた時は直毛で思春期頃から縮毛になったり、逆に生まれた時は縮毛だったのに思春期頃から直毛になるタイプや、髪が柔らかくなって 薄くなるにつれて髪にコシがなくなり縮毛になってしまうなど、発生の仕方は、いろいろあるようです。

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