ドングリから生えたコルク苗
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皆さんは「コルク」を知っていますか?正しい知識を知っていただきたい、又、コルクを広く知らしめたい、こんな気持ちからホームページを利用させていただきました。 掲載の項目は順不同ですが、まとめれば1冊のコルク文献となるよう頑張りますので期待して下さい。
「コルクのむし」は、現役時代様々なコルク商品の開発に携わりました。現在はリタイヤして手元に専門的なデータ類や書類を持ちません。記憶を頼りに掲載しますので、最新の情報や技術の不足・不鮮明な部分や間違った記憶などがありましたらご容赦下さい。

【第5章】 バックナンバーを知りたい方は「Mr.NINKIMONO」にお問い合わせください。
■コルクの細胞は6角柱状
ここにケンブリッジ大学のリポートを引用してコルク細胞について説明します。
(1)顕微鏡の発明とコルク
コルクは、顕微鏡の歴史や植物解剖学の歴史においても特別な位置をしめています。 ロバートフックが1660年頃顕微鏡を開発したとき、彼が最初に検鏡(顕微鏡を用いて調べる)したものの一つにコルクがありました。彼はその時見たものが植物構造の基本単位であると確信し、「細胞」と名づけました。 彼の著書(1664年)には次のように記されています。 「私は初めてコルクの微視的な構造を見た。これに関する記述がなされているのを見たことはないので、恐らくこれが最初であろう。この発見によりコルクが持つ様々な特性を合理的に説明できるであろう。」 フックは、注意深くコルク細胞を描いており、それによれば一つの断面はおおむね六角形で、他の断面は四角である。フックはこのことを「蝋の薄膜が蜂の巣状になっている」と表現しました。 その後、様々な研究者がコルクについて研究しましたが、コルク細胞の幾何学的記述について付け加えることは殆どありませんでした。
(2)コルク細胞
コルク細胞の模式図を簡単に図示すると下図のようになります。 1個の細胞模式図は1のようで、横から見ると2のレンガ積みのように連なっており、正面から見ると4の蜂の巣構造で、構造の模式図は3のようになります。 コルク細胞は、顕微鏡の倍率を上げてみると、フックが見ることができなかったようなところまで見ることができます。 その尺度は光の波長に比較できるほどである。各細胞は8面により構成されているが、その内六角形の面を除いた6つの面にしわが寄っている。(図の1参照)各細胞には2ないし3の完全なしわがあり、このためにコンチェルティナ(楽器の一種)やふいごのような形をしている。


表に観察結果を示すが、細胞壁の厚さは約1μm、細胞の外観比率(柱体の高さ/六角形の一辺の長さ)は約2である。体積を変えないで表面積を最小にするにはこの比が1.7のときであり、これより大きな値を示している。半径方向と垂直な断面は常に六角形と言うわけではなく、五角形・六角形・七角形・八角形が全て見られる。 しかし、平均すると非常に6に近い。レビスによれば平均値は5.978である。 細胞自体は非常に小さく、1o3に約20,000個でプラスチック発泡体より微細である。 コルクは7%の歪までは線形の弾性を示すが、それを超えると弾性が崩れて殆ど水平のグラフとなる。これが70%の歪まで続き、そこでコルクの細胞が完全につぶれグラフは急上昇する。圧縮に対しては歪が7%を超えると弾性が失われる。柱体の軸方向に伸張した場合には、歪が5%を超えると破壊が起こり、他の2方向では約8%である。又、繰り返して圧縮を行うとその応力は圧縮するたびに小さな値となる。 コルク細胞は、気体をゆっくりと吸収し又放出する性質があることは前に説明しました。従って、ガラスポットなどの蓋に利用すると、内容物の匂いを吸い込んでしまい、次に入れたものに匂い移りがしたり、入れたものの匂いが変わってしまうことがあります。細胞の中に入り込んだ匂いがなかなか出にくいのです。 椰子殻活性炭のようにコルクを炭化させると匂いを吸着する性質を持ちますが、細胞がもろいことや細胞質のために気体の透過度が低いことから実用にはなりませんでした。
商業用コルクの細胞の寸法
細胞壁の厚さ(t) 1 ± 0.5 μm
六角柱の高さ(h) 43 ± 4  μm
六角柱の一辺の長さ(l) 21 ± 4  μm
細胞の体積 5 x 104 μm3
1立方mm当りの細胞数 2 x 104 個
しわの波長  (λ) 15 ± 2.3 μm
しわの深さ  (a) 2.8 ± 1  μm
密度の実測値 (ρ) 170  s/m3

教材・文房具
(1) コルクの教材
コルクが持つ「軽い」「滑らない」「音が殆どしない」「密封力がある」「角が当っても怪我をしない」などの特性を生かして、圧搾コルクの大型模型や様々な形状教材として使用されています。又、コルクシートを加工してメモボードやコースターなどの工作材料に利用したり、実験に使う試験管の栓としてコルクが使用されています。 2cmの立方体を多数使用して様々な形状を作り教える小学校の授業で、今までは3cmの木製立方体を使用していましたがコルクに代わることで、滑らないので小さくできた、音が小さいので先生の声が生徒に良く聞こえるようになったとの声も聞きました。
(2) コルクの文房具
前回掲載の「握る材料への利用」として筆記具へのコルクグリップを提案しましたが、一部はコルクグリップとしてペンに装着されて商品となりました。その他に、コルクシートの表面を透明樹脂でラミネートしたマットをデスクマットとしたり、コルクシートの裏にスポンジを貼り表面に印刷をしたマウスパッドなど、コルクの感触や滑りにくい性質を生かした文房具があります。
■コルクが見る将来の夢(その4 自分で作るコルク玩具)
コルクの塊から様々な玩具を作ってみてはいかがでしょうか。
加工に使うコルクの購入は、雑貨や工作材料を扱う大型量販店売り場で様々なコルク製品を揃えて売っていますので、たいていは買うことができます。 今回は圧搾コルクのブロックからコルク自動車を造る要領について簡単に説明します。
(1) コルクの外側にマジックでケガきます 例えば、圧搾コルクの長方体ブロックを使って工作する自動車のデザインを左右・上下・前後など、自分が作りたい自動車モデルをマジックでケガきます。
(2) 粗いヤスリで大雑把な形を作る 金やすりの粗いものを使って概略の形状を削り落とします。このときあまり深く削ると傷として残るので注意してください。
(3) 粗い紙やすりで形をほぼ確定する 粗い紙やすり(#80及び#180)を使いデザインイメージに合せて削り上げます。その時紙やすりは木の板や丸棒に巻きつけて使用すると削りやすいです。紙やすりの粗さはコルクの加工表面がある程度滑らかになる番手のヤスリを使ってください。細い溝などは割り箸などに紙やすりを巻きつけて使います。
(4) 細かい紙やすりで仕上げる 細かい紙やすり(#320及び#600及び#1500)で表面の手触り感が良くなるよう磨いてください。細かいヤスリで磨くほど手触り感は良くなりますが、研磨量が少なく時間がかかります。
(5) 艶出しをする ヤスリ仕上げが終わったら表面の研磨粉を掃除機で吸い取ります。表面状態を見て、仕上げが納得するまでヤスリと掃除機を繰り返します。 その後、クルミオイルをコルク表面に転写して艶出しします。クルミオイルは、食用のクルミをぼろ布の間に挟んでつぶし、ぼろ布にクルミオイル滲み込ませた後、そのぼろ布でコルクを拭いてクルミオイルを転写します。
(6) 日に焼けて色あせしたら細かい紙やすりで磨き艶出しする コルクは、日に焼けたり長期間置いておくと色あせします。その時は細かい紙やすり(#600程度)で表面を磨き、新たなコルク面が出てきたら掃除機で研磨粉を取りクルミオイル転写すれば綺麗になります。

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